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カメラ、ハードルが低いアソビ
カメラほどハードルが低いアソビは無い。今ではスマートフォンにも付いているのだから。カメラのハードルはうんと低い。
ギターのように音が出ない、料理のように材料をそろえないと、そんな面倒なことはない、シャッターを切れば写る。それが今のカメラなのだ。
上手い下手はあるけれど、絵画よりもリアルな作品ができあがる。新しくカメラを買わなくても、あなたのスマートフォンに付いているのだから。
日常に溶け込ませるカメラ
みんなが当たり前のように持っているカメラだからこそ、もっと日常に近いところで。
ハレの日ではなく、ケの日にも使える、それがカメラなのだ。あの日の思い出、あのときの気持ち、それをリアルに捉えてくれるのだから。
日常の近い位置に存在するカメラ。
写真をキッカケに過去の思い出を引っ張り出す
記憶というのは、自分自身の中にしっかり蓄積されている。人間だもの、それくらいの機能は備わっている。
その記憶の引き出しを空けてくれるものは何か。と聞かれたら。
例えばこの写真。他の人から見たら、ただのクッキーに見えるかもしれない。商品見本に見えるかもしれない。
それを撮った本人からしてみると、言葉では表現できないほどの思い入れがあるのだ。他の人にとってみればただの1枚の写真。厚みもないし、音も聞こえない。そこには本人にしか分からない思い出がぎゅっと詰まっている。
写真はタイムマシンなのだ
思い出が蘇る。それは自分の心との対話ではない。
当時の音、肉がじゅうじゅうと焼ける音が聞こえてくる。お腹がぐぅっと鳴りそうな音が聞こえてくる。よだれが出てしまうようないい匂いがする。
たった1枚の写真が、あの頃へ連れて行ってくれる。
五感をフルに感じさせてくれる
気持ちや音、匂いだけでない。
初夏のあの日に食べたモノ。冷たいアイスクリーム、爽やかなのどごしの寒天。セットで付いてきた温かいお茶。
聴覚や嗅覚だけでない。冷たい、温かい、さらりとした、重たい、軽めの、酸っぱい、いろんな感覚を呼び起こしてくれるのだ。
何気なく撮った1枚が、僕を支えてくれる
写真にこだわるなら、基本をマスターすれば30点ラインまではあっという間に伸びる。
真っ直ぐに撮ること、指やストラップが写り込まないこと。最近のカメラはスゴい。オートで撮れば大丈夫だ。
商売にするなら、写真家として活動するならキレイな写真が必要だが、思い出の1枚なら気にする必要はない。
何気ない1枚なんてない、あなたの意思がちゃんと反映されている
スマホのカメラロールを見返してみると、素敵な写真ばかりじゃないか。
あなたが撮ったその1枚、あなたが選んだその瞬間、価値のあるものなのだ。
何気なく撮ったのではなく、あなたの指が「今」を切り取ったのだ。そこには意思がある。撮りたいモノ、残しておきたい瞬間がある。それが写真なのだ。
30点から70点にアップさせるには良いカメラが必要
基礎を意識するだけで30点になるが、その次のステップは撮影機材。
ある程度は腕でカバーできても、良いカメラ、良いレンズには勝てない。1万円で買えるカメラと、50万円するカメラは、やっぱり性能が違うのだ。明らかに性能が違う。
だけどリーズナブルなカメラでも充分キレイに撮れる。良い機材は重要だけど、日常的に持ち歩き、どんどんシャッターを切れるくらいの可搬性も大事なのだ。
被写体と対話する
その写真、本当にその瞬間がベストだったのだろうか。被写体とどれくらい対話しているのだろうか。「今」がいいのか、3分後がいいのか。乾燥して気持ち悪そうにしていないか、正面はこちら側でいいのか。少しだけ魚の気持ちになって考えてみる、ネギやミョウガ、卵黄に声を掛けてみる。
ファインダーを覗いてシャッターを押すだけではない。被写体に話しかけ、語り合い、良い表情をしてもらう。
もっとじっくりと向き合うことが重要だ。
無理しないこと、まずはナチュラルに
暗いところでは暗く写る、明るいところでは明るく写る。暗い写真は手ブレしやすい、キレイに写らない。
それはそれで作品なのだ。その場の空気をどれだけ伝えられるか。
キレイに写すことも大事だけど、キレイに写らないことも大事なのだ。写真で伝えることが全てでは無い。
時に没頭してみる
写真を撮っている姿というのは滑稽だ。シャッターを切るだけで、どれだけ時間がかかるのか。
じっくりとファインダーを眺め、被写体と対話する。本人はなんてことはない。周囲から見ると理解しがたい部分がある。
とはいえ、自分の世界に没頭して写真を撮ることが大事だ。その為にファインダーがある。ファインダー越しに写真を撮る、その行為が周囲の余分なモノをシャットアウトしてくれている。
背面のモニタを使うのではなく、是非ファインダーを覗いてほしい。自然と息が止まるほどの緊張と集中の時間がやってくる。
あなたにとってカメラとは
僕がカメラと出会ったのは25年ほど前。父親がニコンのマニュアル一眼レフカメラを貸してくれたのがキッカケだ。自分を表現するのが苦手だった。その手助けをしてくれたのがカメラだった。
1枚1枚の写真に込められた思い、カメラが翻訳機になって僕の気持ちを伝えてくれた。
その一瞬を逃さないために、神経を集中させて人差し指を押し込む。ファインダーがブラックアウトし、シャッター幕が走る。結果が分かるのは現像に出したあと。実際に写真を見るまで緊張が続いていた。
今はデジタルのおかげで、随分とハードルが下がったものだ。だからこそ余計に「その1枚」への気持ちが強くなる。
美味しかったあの料理、あの子の素敵な笑顔、寒い中2時間粘ったこと、手ぶれ覚悟で撮った1枚。全てが僕の思い出になるのだ。
カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2018
アドベントカレンダーとは、クリスマスまでの期間に日数を数えるために使用されるカレンダーのこと。今回は、46symさん(@46sym)が企画してくださった「カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2018」に参加した。
昨日、12月20日はでこいさんの「僕とみんなとD850」
明日、12月22日はしゅさんぽさんが記事を書いて下さいます。
楽しみにしていますね。