きっかけは誰が与えてくれるか分からない。
指定された集合場所が「野辺山駅」だった。名古屋から中央西線、中央東線、小梅線(こうみせん)と乗り継ぎ、野辺山駅に到着した。
野辺山駅は、あの「野辺山高原」にある駅だ。野辺山高原と言われて思い浮かぶのはキャベツとレタス、高原野菜で有名な地だ。
小梅線に乗り、野辺山駅に向かう途中「まもなくJRの標高最高地点を通過します」という案内が流れた。JRの最高地点。ちょうど踏切を通り過ぎるところがJRの最高地点らしい。
小梅線と中央東線が接続する小淵沢駅は標高約890m、途中いくつかの駅に停車しながら30分ほどで最高地点を通過する。
大きな石碑があるJR鉄道最高地点。”JR”と限定されるのは、JR以外ではそれ以上の標高を走る鉄道があるからだ。といっても、立山黒部アルペンルートを走るトロリーバスなのだが。
トロリーバスは無軌条電車と呼ばれ、見た目はバスなのだが電車の一種。標高2,450mを走る。というわけでJRと限定しているのだろう。ただ、いわゆる”鉄道”のカタチで走っているモノと考えれば、ここのJR鉄道最高地点が最も高い箇所になる。
この石碑は小海線からも見ることができるが、最寄り駅の野辺山駅からは数キロ離れているので歩いて行くことはオススメしない。今回たまたま偶然、泊まったホテル「八ヶ岳グレイスホテル」がJR鉄道最高地点のすぐ横だったのだ。これも偶然で運命だと思うことにした。
JR鉄道最高地点にある踏切から野辺山駅方面への眺め。線路がまっすぐ続く様子は、都会ではなかなか見ることができない。単線、非電化。平日は1時間に1本あるかないか、その往復だとしても、踏切が降りる時間は少ないのだろう。
逆側は下り坂。見た目は緩やかだが、鉄道にしてみると急こう配なのだろう。
先ほど石碑とは逆側には杭が立っている。SLの車輪と神社とともに。石碑も杭も車輪も神社も。24時間いつでも見ることができ、すべて無料だ。
その隣を走る国道141号線にもJR鉄道最高地点の看板がある。石碑の横に無料駐車場があるのでクルマで来ても問題なし。
杭の横にあるのはレストラン最高地点。800円~1,000円でそば、うどん、定食、丼ものなどが食べられる。ボリュームもあり、田舎のドライブインの残念感みたなものは無かった。お土産も売っているので立ち寄ってみるだけでもよさそうだ。
16時16分に野辺山駅を出発した快速HIGH RAIL2号、最高地点の案内を車内でしているのだろう。スピードを落として通過していったのだ。
近隣の風景も美しく、少しだけ散歩するのもいいかもしれない。JR最高地点自体は、ただの場所に過ぎないが、もし近くを通ることがあれば立ち寄るのも悪くない。いろんな感情を生み出してくれるところだった。