美浜町生涯学習センター「なびあす」(福井県)とFAZIOLIのピアノF308の魅力

美浜町生涯学習センター「なびあす」(福井県)とFAZIOLIのピアノF308の魅力

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どうしてコンサートに行くのか、と聞かれたらいろいろな答えがあると思っている。
最も多い理由は、その演者さんが好き、ということだろう。
好きなアーティストのコンサート、ライブに行くのは至極当然だ。

その他にも友人が行くからとか、その会場が普段は立ち入りできないような珍しい場所だから、などなど、コンサートに行く理由は様々。

とすれば、僕の今回の理由は、そこにFAZIOLIのピアノがあったから。
偶然にも見つけたFAZIOLIの、しかもF308を使ったコンサートが開催されると聞けば、高速をかっ飛ばして行くってことで。
美浜町の生涯学習センターまで行ってきた。

町民のための文化と学びの拠点

福井県三方郡美浜町にある「なびあす」は、町民の学びや文化交流を支える生涯学習センターだ。
2012年11月に開館したこの施設は、公民館、図書館、そして多目的に使える文化ホールを備えた複合施設で、今回は、その文化ホールで開催されるコンサートにやってきた。

電源立地地域対策交付金と「なびあす」

なびあすがある美浜町は原子力発電所の立地地域。
電源立地地域対策交付金を活用してこの施設が建設されたことも分かる。

美浜町は人口1万人にも満たない町だが、交付金があるからこそ立派な施設が用意されているのだろう。

今回は上野真さんのコンサートに

ピアノを目的にやってきたので、残念ながら上野真さんのことは存じ上げなかった。
ただ、そんなことを忘れるくらい、ドキドキしていたのも事実。

本格的な「なびあすホール」

座席数489席、コンサートから演芸、演劇まで楽しめる作りになっている。
ただただ座席が並んでいるのではなく、いくつかブロック分けされているのも面白い。

ホール全体には魚の群れや鱗をイメージした木製パネルが貼られており、舞台、壁だけでなく天井まで同じような作りに。

舞台に鎮座するFAZIOLI・F308

よくある文化センターとはひと味もふた味も違う「なびあす」のホールだが、注目すべきポイントはFAZIOLIのF308があること。

イタリアのピアノメーカーであるFAZIOLI、そもそもの製造台数が少なく、なかなかお目にかかれない。
その中でも、F308はあまりにも希少なモデルだ。
F308が日本のホールに初めて導入されたのも、今回お邪魔したなびあすホール。

モデル名からも分かる通り、全長308cmととにかく大きい。
ヤマハやスタインウェイのコンサートグランドピアノは274cm前後なので、30cm以上もサイズが違う。

しかもなびあすホールは座席数500人未満のホール、小さなホールに大きなピアノで迫力もマシマシ。

近くで見ても、その大きさは桁違い。
ペダルが4本なのも、FAZIOLIのピアノの特徴だろう。

素敵な演奏家をお出迎えするためにも

ピアノというのは面白い楽器で、演奏家が演奏のために持ち歩くことはほとんど無い。
会場に設置してあるものを演奏家が演奏する。
しかもその音の調整は、調律師という専門の技術者がする。

演奏家は与えられたものをただただ弾くだけ。
バイオリンやトランペットだったら、自分の楽器を運び、メンテナンスも音合わせも自分でやる。
ピアノはそうはいかない。

だからこそ、どのピアノがどこの会場にあるのか、というのも大事なバリューだろう。
珍しいピアノだから!と演奏会をしてくれるピアニストがいるかもしれない。

さいごに

「なびあす」は、福井県美浜町の文化と学びの中心地であり、特にF308という希少なピアノが備わることで、片道2時間半もかけて高速をかっ飛ばして行くヤツがいた。

このサイズのピアノ、このサイズのホール、充分すぎるくらいに音を響かせていた。
この魅力的な空間を訪れ、F308の音色とホールの優れた音響を体感してみてほしいもの。
次は誰の演奏が聴けるのか、その人の演奏はどんな味付けになるのか、ぜひ再訪してみたいと思う。