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人との出会いから
こんにちは、スズキ(@acogale)です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
先日、クリエイティブな方が集まる交流会に参加しました。
グラフィックデザイナー、3Dデザイナー、カメラマン、ミュージシャン。
バラエティに富んだ参加者の中で、特にワクワクする方に出会ったんです。
紙の加工を専門にやっている方でした。
中島紙工の工場見学会
株式会社中島紙工(名古屋市中区新栄)の中島さん。
工作が好きなスズキにとって、中島紙工さんの業務内容
- 紙の裁断
- ミシン
- 筋付け
などなど。
切ったり折ったりする紙の加工にワクワクしてしまったんです。
そんな話をしていたら「今度、新設備の見学会をするから来たらいいよ」と言われたのが今回のキッカケです。
職人技が発揮される機械と、最新設備のマシンと。
その両方を見られるチャンスということで、中島紙工さんに行ってきました。
大きな機械にワクワク
工場にお邪魔して、最初に出迎えてくれたのは裁断機。
横幅1,320mmまでカットできる大きな機械です。
印刷物の仕上げのカットをしたり、分厚めの板紙を裁断することもできるそうです。
見学当日は稼働していませんでしたが、本物の機械を間近にするとワクワクが止まらないですね。
しかもプロの、職人さんの説明付き。
サイズ違いで、裁断機がもう1台。
真っ直ぐなボディライン、丁寧にメンテナンスされたマシン、鋭い刃、武骨な中に繊細さがあり、ドキドキしてしまいます。
穴あけマシンも
身近な紙加工だと、穴あけ作業かもしれません。
パンチでしか穴をあけたことがないんですが。
専門の機械は、穴のサイズが選べたり、穴と穴の間隔を個別に設定できたりと、至れり尽くせり。
何百枚という資料も、一発で穴あけをしてくれるそうです。
ミシン目もあっという間
工場の機械らしい機械の登場です。
右奥から左手前に向かって紙が流れてきます。
このライトの照らす先にミシン目の刃が。
紙が通ると、切り取り用のミシン目が入るようになっているんですね。
刃を押さえる力や紙を通す間隔。
一つ一つのセッティングを職人さんがするそうです。
紙に対して真っ直ぐに、均等にミシン目を入れるには、セッティングにも時間がかかるんですね。
紙を折る機械、エモい機械
これは、右手前から左奥へと紙が流れていき、セッティングしたサイズに折ってくれる機械とのこと。
小さな紙、例えば薬の中にある説明書きや、お土産の箱を開けた時に上に入っているサイズの紙を折るそうです。
一つ一つを丁寧に、間違いなく折ることができるのも、セッティングにかかっているとのこと。
アナログな機械だからこそ、職人さんの腕が試されるのでしょうか。
そんな機械は、どこかエモーショナルで、ぼーっと眺めていることができます。
実際に機械が動くとき、一定のリズムを刻むんですね。
1秒間に1枚の機械もあれば、1秒間に5枚の機械もある。
それぞれが、オリジナルの音を出しながら仕事をしているんです。
ちょっと急がされるような機械があると思えば、ゆったりのんびりと動いている機械もある。
それぞれに役割があり、それぞれにちょうどいいテンポがある。
アナログな機械って面白いですね。
非常停止スイッチは、見た目からすぐわかるようになっているし、レトロなダイヤル、押しボタンに懐かしさを感じながら。
最新のマシンへと案内して頂きました。
Horizonの最新マシン
中部地区で初めて導入されたという「シートカット&クリーサー」
この機械1台で、たくさんのことができるそうです。
しかもセッティングも容易で、納期も超短納期とのこと。
名刺のデザインはしても、名刺が出来上がるところまでは知らないスズキにとっては、ワクワクするマシンの登場です。
先ほどのダイヤル、押しボタンとは違い、最新のマシンはタッチパネルです。
タッチパネルで加工方法を選ぶと、過去にセットした設定が自動的に呼び出されるんですね。
1シート9枚のカードを加工
カードや名刺にも色々な加工方法があるそうですが、今回のは9枚が1シートになったもの。
印刷の無駄を防ぐために、大きな紙で何枚も面付し、それを裁断するのが一般的とのこと。
今回見せてもらったこの機械は、紙を1回通すだけで、9枚への裁断、余白部分の裁断、二つ折り用の折り目加工までやってくれるとのこと。
しかも、加工データは保存してあるのを呼び出すだけなので、短納期で仕事を受けることができるんだとか。
技術の進歩は、本当にスゴいものです。
折り目は山も谷も
今度は別の紙で折り目の話を。
こちらも紙を1回通しただけの加工。
山、谷、どちらの折り目も1度で加工できる。
しかも紙を通す向きに対して平行・直角の加工もできる。
折り目の太さは4種類あるというから驚きだ。
ミシン目だって
折り目だけでなく、裁断やミシン目も。
ミシン目の刃も、粗めのものから細かいものまで、マイクロミシンを含めて5種類用意されている。
しかもジャンプ加工もできるとあって、細かな加工まで引き受けてくださるようだ。
0.1mm単位でセットできる
専用のマークを印刷時に埋め込むと、機械がそれを読み取って、マークから〇mmのところで裁断、加工してくれるという。
印刷段階でのズレを、裁断加工のときに修正してくれるという機能が。
しかもマークによって、加工のプログラムを設定できるらしい。
モニタにも、マークから〇mmという文字が見えるように。
より精度の高い加工ができるなら、名刺やカードのデザインにも気合が入ります。
印刷会社に頼むと「数mmのズレが発生することがあります」と言われることもあるからだ。
加工は正確
これはミシン目を入れた回数券とのこと。
機械が正確にミシン目を入れるから、ジャバラに折り曲げてもズレが出ない。
これを従来の機械で職人さんがやると、セッティングが慎重で丁寧になる。
時間がかかってしまい、少部数だと単価がものすごく高くなるとのこと。
そんな悩みを解決してくれるのも、最新のマシンの特徴だと説明してくださった。
初めて導入するとき、新しいカットや加工をするときは、個別に設定や調整が必要だが。
一度記憶させてしまうと、細かな調整を機械がやってくれるというから、最新のマシンには驚くばかり。
僕が発注した名刺やポストカードも、こうやって仕上がっているんだなと。
生で見ることができたので、本当に感動したのだ。
ただの加工じゃない
納品された先、一般のユーザーにとっては、ただの製品かもしれない。
サイズも定形サイズでいつもどおり、加工といってもいつも通り。
でも現場では、刃の向きを変えたり、バネの強さを変えたり。
穴あけドリルの太さを変えたり、無駄のない面付を考えたりする。
実際に加工している現場を見せてもらうことができて、また一つ刺激をもらえた。
穴あけの見本をもらったのだが、いつも使っているパンチは、何mmだろうかと。
そんなに注意深く見たことなんてなかったな。
角丸になっているこの見本も、4種類の半径で出来上がっている。
そこまで細かく見たことがなかった。
「紙の加工」を見せてもらって。
手に取る製品を、もっとじっくり眺めることが増えるだろう。
モノゴトの裏側を見せて頂ける機会に感謝。
中島紙工さん、ありがとうございました。
工場見学は随時募集されているとのことでした。
一部写真は、ぼかし加工をしてあります