東京×新幹線の偉大さ

東京×新幹線の偉大さ

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ある友人は言った。
「有名人に会いたいなら東京に行けばいいよ」

また、ある友人は言った。
「有名人に会いたいなら新幹線のグリーン車だよ」

その2つの言葉がつながったのは6月某日、名古屋から東京へ向かったときのことだった。
目的地を考えれば品川駅で下車するほうがいいのだが、いろいろと気分が乗らず東京駅まで来てしまった。

16番線に着いたのぞみ号、そうそうに追い出されホームを歩く。

ふと気づくと、脚立を持った「報道」の人や、白い制服の駅長さん(と思われる方)がホームにいる。

「誰か偉い人がここを通るらしい」なんて皆が噂をしていると、警察手帳を持った人に声をかけられた。

「皆さん、12号車付近でお願いしますね」と。

その12号車付近に行けば、既に一般の人が列を作っている。片手にはカメラを持って。

シャッターチャンスを待っているのだ。調子に乗って、僕もその列にお邪魔する。
前にいたオジサン曰く、「列車が発車するのは9時53分だから」とのこと。あと30分ほどある。

「回送 81」だった発車案内表が「81」だけに変わり、時刻が表示された。
オジサンの言うとおり、9時53分だ。

まもなく9時50分になろうとするとき、駅長さんや護衛の方と一緒に。ちょっと身震いした。

ホームはいつの間にか人だかりができていた。一目見ようと、駆けつけた人もいるようだ。

人混みの奥では、報道陣が撮影をしている。新幹線に乗るシーンだろう。
後に、テレビや新聞でそのシーンを見ることとなった。

大事な方を乗せる列車は綺麗だ。全周ホロは汚れやすいが綺麗な編成が停まっている。

多くの方に見送られて、臨時の81号は東京駅を出発。この列車の目的地は名古屋駅だという。

早い時間の新幹線を選び、東京駅まで乗ってきたから見られたシーン。
新幹線を使われるのは往路だけとのことだった。その新幹線が出発するところが見られて、幸せな気分になる。

有名人に会いたいなら。
東京×新幹線は最強だったかもしれれないが、あまりにも荘厳すぎた。この貴重な経験が本当に嬉しい。