マクドナルドのことを「マック」と呼ぶか「マクド」と呼ぶか、と聞かれたら、僕は「マック」だと答える。
おおよそ何も考えたくないときはマクドナルドに行く。旅行先でも、出張先でも、マクドナルドがあると安心する。
マニュアル通りの接客と言われ、全国一律の価格で提供される。
だからこそ、全国のマクドナルドの空気の違いが面白い。
すすきののマクドナルドは、あの有名なニッカの看板と路面電車を窓から眺められる。
大宮のマクドナルドでは、朝からおばあちゃん2人が、2人ともiPadを片手に談笑していた。
日暮里駅前のマクドナルドは、1階にはキッチンとレジしかなく。イートインのときは、道路でハンバーガーを受け取り、階段を上っていった。
下北沢のマクドナルドでは、東京の有人とバッタリ出くわす。
川崎駅前のマクドナルドは深夜でも大賑わい。日本語以外の言葉もたくさん聞こえる。
新小岩のマクドナルドは朝日がまぶしく、浅草のマクドナルドは外国人と思われるお客さんばかり、平塚のマクドナルドは女子高生が楽しそうにおしゃべりをしていたり、東戸塚のマクドナルドはPCを開いているビジネスマンがたくさんいた。
バーでバイトしていた頃は、店を閉めたらみんなでマクドナルドに行っていた。
2018年の年の瀬にはインターネットのお友達にマクドナルドに付き合ってもらい、 最近では後輩氏をマクドナルドに連れ回してしまう。
夜のサービスエリアでもハンバーガーを買う。深夜のドライブのパートナーもマクドナルド。深夜は待ち時間が必要だけど、熱々のフライドポテトが食べられる。
ナゲット15ピース、財布の中身を気にしないで買えるようになり、誰にも注意されないジャンキーな生活もできるようになった。
小さな頃から身近にあった外食パートナーはマクドナルドだった。スーパーのフードコートにあったのもマクドナルド。
リアルな生活に密着しているからこそ、普段使いができるし、生活感が出る。
その日常を感じたくて、あちこちのマクドナルドに行ってみる。
経済誌では「ビッグマック指数」なんていう指数もある。ビッグマックは世界規模で作られている商品だからこそ、ビッグマックの価格が経済の指数となっているのだ。
「マクドナルドなんてさ、地元にもあるじゃん。わざわざ旅先で行かなくても」と言われることもあるし、それはごもっともだ。だけれど、地元にもあるから行ってみる。という考え方を、ちょっぴり残しておいてほしい。
チェーン店なんて、画一的で同質的かもしれない。特にマクドナルドなんてマニュアル接客と言われるくらい。
でも、だからこそ、そこに面白さがたくさんある。決められたマニュアルの中でも、心地よい接客をして下さる方もいるし、商品の仕上がりにもバラつきがある。
十五夜が近付けば月見バーガーが発売され、肌寒くなるとグラタンコロッケバーガーが発売される。
たまにジャンキーになってみよう、今日は後ろめたいことをしたい。頭をナチュラルな気持ちに戻したい。
そんなときに、ふらっと寄ってしまうところ。それがマクドナルドなのだ。
全国津々浦々、あちこちに僕の休憩場所があるのは、とても嬉しいことなんだよ。