1人の運転士で多くの乗客を運ぶことができる二階建てバス。
JR東海バスさんの二階建てバスにはずいぶんとお世話になり、名古屋-東京間では毎月のように利用していた。
そのJR東海バスや、その他のJR系バス会社でも使っていた二階建てバス「三菱ふそう・エアロキング」は製造が終了してからずいぶんと経つ。
そこで、海外から輸入すればいいじゃないか、ということで日本に導入されたのはスカニア・InterCity DDという名称の二階建てバスだ。
目次
エアロキングからInterCity DDへ
日本の道路事情に合わせたバスを探しても、ちょうどよいサイズのものがなかった。
欧州仕様のバスを日本向けにカスタマイズ、縮小版として輸入されたとか。
東京駅に置かれている二階建てバスの案内図は、いつの間にかInterCity DDに置き換わっている。
車両前方にも出入口があるものの、乗客は後方の出入口のみを使うようだ。
バスに興味がない人にとってみれば、エアロキングもInterCity DDも大差はないだろう。
高速道路を走る二階建てのバス。ということ。
2階席はクレイドル・シート
二階席はクレイドル・シートが採用された3列シート。
以前のプレミアム・シートやビジネス・シート車両についていた3列シートとは違うものだ。
また、各座席には隣の人との間にカーテンがついている。
カーテンは左右のみで前後にはついていない。
シートベルトは3点式、各座席の肩の部分からシートベルとが伸びている。
右側、左側でシートベルトの向きが違うので、気になる人は要注意だ。
シートをリクライニングすると、座面が前方へスライドする。
お尻がより沈み込むような印象がある。ゆっくり寝るにはちょうどいい。
可動式のフットレスト、レッグレストもあり、長時間の移動への配慮がしてある。
前後の間隔もあるので、昼間の移動でも疲労を軽減させてくれる。
USBはあるけれど、コンセントはない
ゆったりと座れるシートだったが、問題は電源コンセントがないところ。
USBでの充電はできるので、ケーブルさえ持っていればいいのだけど、ACコンセントがなかった。
ノートパソコンを使いたい人には向かないし、USBタイプのケーブルを持っていない人は充電が難しい。
空調と手元のランプは天井に。
このあたりの作りを考えると、2+2の並びがデフォルトなのだろう。
それを3列仕様に座席を変更しているのか、センターの座席の人は使いづらいと思う。ぜひ窓側の席を指定したい。
最前列は足元の余裕がたっぷり
ちなみに最前列のシートは足元に余裕がある。
エアロキングの最前列はなかなか窮屈だったけど、それに比べれば過ごしやすい座席だった。
ただ、曇り止めシートが貼ってあるせいで、眺望はイマイチ。
きれいに見えるけれど、くっきり最前列!というわけにはいかなかった。
余裕で通過できるのは分かっているけれど、天井ギリギリの高架橋はドキドキするもの。
万が一、ぶつかるようなことがあれば大事故なのだから。
運転席はすっきりした印象
意外なほど運転席はすっきりしている。12AMTのおかげか、大きなシフトレバーもない。
新しいバスなので、安全設備やドライバーサポートなどは充実しているようだ。
他社でも採用されているInterCity DD
東京から名古屋に向かう途中、サービスエリアに停まっていたのは西日本JRバスのInterCity DD。
こちらも2階は3列シート、1階は4列シートのタイプ。
こちらはJR東海バスのInterCity DD
外観設備も新しいものに
オレンジ色のLED表示ではなく、フルカラーのLED案内板がついている。
行先や出発時刻を表示できるようだ。あちらこちらに新しい設備が用意されていた。
後ろにも同様に。ずいぶんと大きくて、縦長な印象。
エアロキングとそんなに変わらないのに、デザインでそう見えてしまうのだろう。
まとめ
というわけで無事に名古屋駅に到着。お疲れ様でした。
エアロキングが製造中止してから、今後の二階建てバスはどうするのか、という話題はあちこちで上がっていた。
InterCity DDが路線に投入されることになり、二階建てバスの楽しみはキープされそうだ。
二階建てバスに思い入れがあったり、どうしてもこれじゃないと!ということではないが。ちょっとした特別感、ちょっとしたイレギュラー感が、旅をより一層楽しませてくれる。
まだまだエアロキングも走っているが、いつまで現役でいられるかは不明なところ。
自由にあちこち行き来できるようになったら、またお世話になろうと思う。