手を伸ばしてしまったらやめられない。だから本を手に取るとき、注意深くなってしまう。
本を読むことは好きだけど、得意ではない。読み始めると終わらなくなってしまう。気付いたら朝になっていた、なんてことがよくある。
小説だと、のめりこみ過ぎてしまう。雑誌のコラムくらいがちょうどいいのかもしれない。最近のお気に入りは東京カレンダーと&Premium。テイストがちょうどいい。
書いてあるお店や商品のことではなく、編集者が誰か、ライターは誰か、が気になった雑誌だった。僕もいつの間にか文章の世界に浸っているようだ。
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気になる本をインターネットで見つけると購入ボタンを押している。気が付いたら自宅に届く。だから失敗もある。
&Premiumのキッチン特集は、木のぬくもりに琺瑯のバットのような雰囲気だった。僕の好みは、ステンレスの冷たい空間。ちょっとした好みの違いで満足度は変わってくる。
松永光弘さんの「アタマのやわらかさ」の原理。これは想像以上にテキストな本だった。イメージと違う本を手に入れるのも、インターネットで購入ボタンを押すからだろう。本屋さんでペラペラと見ていたら、たぶん買っていない。
この本、面白いよ。と言われて買ったのは、幸せがずっと続く12の行動習慣。これもテキストばっかりで、本を開いた瞬間、フリーズしてしまった。行間も狭く余白も少ない印象が。ボリュームはタップリなのだけど。
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本が苦手なのは読み過ぎてしまうところ以外に、もう1つだけある。それは本を大切にし過ぎてしまうところ。
丁寧に扱いすぎてしまうのだ。カバンの中に放り込んでおくようなことや、ベッドで寝ころびながら読むことができない。
もちろん汚れた手で触るなんて。そう思うと、本を読み始めるまでのハードルがうんとあがる。それであれば、Kindleで読んだほうがいいかな。ってね。
でも、本には本の良さがあって、それは写真にも通じるところ。
決められたサイズで読めるのは本のいいところ。このサイズで手に取ったときに読者がどう思うのか。それを伝えることができるのは紙の本だけだ。
電子書籍の拡大縮小できるメリットは、デメリットにもなってしまう。
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最近は、本のジャケ買いばかり。雰囲気でポチポチ注文すると、当たりもハズレもあるものだ。それを全部ひっくるめて、本の楽しさかもしれない。
それにプラスして、知り合いの著書を全く知らない誰かが電車の中で読んでいると、また別の楽しさがやってくるのだ。
本を通じて文字と遊ぶ。そんな毎日を過ごしたいな、と思った。