岐阜県美濃加茂市の美濃太田駅と岐阜県郡上郡白鳥町の北濃駅を結ぶ長良川鉄道。
営業キロは72.1kmの第三セクターだ。
全線非電化なので電車ではなくディーゼルカーが走っている。
ワンマン列車かつ無人駅が多いので、乗車時に整理券を取り、降車時に運賃箱に料金を入れるバスのような仕組みなのだが。
2022年6月1日より、Visaタッチで乗車できるようになったとか。
交通系ICではなく、クレジットカードのVisaタッチを使うとか、何か事情があるのだろうけれど。
どんなものかこれも経験と思い、美濃太田駅から関駅を往復してきた。
目次
JR高山本線、太多線と乗り換えができる美濃太田駅
長良川鉄道の始発駅でもなる美濃太田駅はJRの駅でもある。
岐阜駅から高山方面へのアクセスを担当する高山本線、美濃太田駅から多治見駅までの太多線が通っているのだ。
特急ひだが止まる駅でもある。
そのJRのホームの北側にあるのが、長良川鉄道のホームだ。
まるでJRの案内看板のようだが、右下に小さく長良川鉄道のマークが付いているのが分かる。
車内改札をしているので、駅に改札口はない。
美濃太田駅では券売機はあるので事前にきっぷを買うことができるが、今回はVisaタッチなのでそのまま車内へ。
運賃授受器はレシップ製のLV-700
岐阜県本巣市に本社があるレシップホールディングスの子会社が作っているLV-700。
いろいろな決済手段を兼ね備えた運賃授受器だが、長良川鉄道で使えるのはVisaタッチのみ。
岐阜県内の会社ということもあり、いろんなつながりがあるのか、と考えてしまいがちだ。
5.7インチのカラーモニタには駅名とVISAカードのマーク、乗車用の文字が見える。
端末の下部にVisaカードをタッチするだけという簡単な仕様。
乗車時のタッチは一瞬
Visaタッチが使えるクレジットカードは、タッチ決済用のマークが付いているもの。
このマークがあれば、今回のような列車乗降時以外でも、コンビニやスーパーなどの通常の決済でもタッチ決済ができる。
カードを端末にかざすと、音とともに画面に「ご乗車ありがとうございました」と表示される。
QRコード決済にも対応している長良川鉄道
交通系ICが全国に広がるにつれて、駅できっぷを買うことも少なくなった。
キャッシュレスが推進され、小銭を持つことも少なくなった。
とはいえ、バスやワンマン列車に乗るときは、まだまだ小銭が必要なんだけど。
長良川鉄道では2019年07月からPayPayによる支払いも対応している。
乗車時に整理券を取り、降車時に支払い画面を運転士に見せるのだとか。
事業者側としては、手数料がかかるもののPayPayのQRコードを用意するだけなので、非常にスマートな方法なのかもしれない。
ちなみに一日乗車券などは、スマホをきっぷとして取り扱っている。
極力車内外で現金のやり取りを減らしている印象だ。
長良川鉄道は無人駅が続く
美濃太田駅は駅員さんも券売機もあったが、隣の前平公園駅は残念ながら何もない。
雨がしのげるだけの屋根が付いたベンチがあるだけだ。
近くには、名前の通り美濃加茂市が管理している前平公園や、ヤマザキマザックの工作機械博物館がある。
バスの運賃表のように駅に停車する度、表示される金額が変わる。
もちろんVisaタッチの端末も、駅名が変わるのだ。
長良川鉄道本社前の関駅で折り返して美濃太田駅へ
今回は時間の都合で関駅で折り返すことに。
運転手さんも、ここで交代するようだ。
ワンマン列車なので、乗車時は車両後方から、降車時は車両前方からとなる。
車両前方についている端末にタッチして精算完了。
写真は関から美濃太田へ帰った際のものだが、人数、乗車駅、降車駅、運賃が表示される。
また、タッチされたときに運賃を計算し、クレジットカードの精算をするためか、処理に数秒かかるのが気になるところ。
交通系ICのように、カードをかざした瞬間に決済が終わることはない。
乗車人数や利用人数を考えても、それくらいで十分なのだろう。
事前登録も何も必要なく、ただクレジットカードをかざすだけで乗り降りができた。
乗車履歴についてはQ-moveサイトで見ることができる
乗車時も降車時もレシートやきっぷが出てくることはない。
また、交通系ICのように駅の券売機で履歴を見ることもできない。
長良川鉄道のVisaタッチは、Qmoveというサイトで会員登録すると利用日時、区間、料金を見ることができる。
今回は、乗車後にQ-moveに登録してみたが、ちゃんと明細が表示された。
画像は加工してあるが、乗車時刻、降車時刻が表示されるはメリットが大きいと感じた。
便利だけど、クレジットカードだし
会員登録もチャージも事前申請も不要で使えるVisaタッチでの運賃支払い。
明細もあるし便利なんだけれど。
やっぱり気になるはの、それがクレジットカードだということ。
交通系ICのように限られたものでもないし、わざわざ財布から出さないといけない。
乗車時、降車時と2回タッチしなければいけないので、煩わしさも感じる。
とはいえ、最新のスマートフォンであれば、スマホでVisaタッチが使えるので、スマホをかざすだけで乗り降りできる。
美濃太田駅から北濃駅まで乗車すると、片道1,720円。
金額もそれなりなので、やっぱりクレジットカードから決済させるのが理にかなっているのかもしれない。
長良川鉄道株式会社
http://www.nagatetsu.co.jp/
Q-move
https://q-move.info/